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派遣の終了・更新・解除とその他ルール

▽派遣トラブルQ&A3


労働者派遣とは、派遣労働者、派遣元事業所、派遣先事業所という事なった立場の三者で構成されるため、それらの利害関係を考えると非常に不安定なものになっています。

問題が発生すると派遣先と派遣元、派遣労働者間の間で「言った」「聞いてない」の水掛け論はよくある話です。

そのため労働者派遣法がお互いの利益を調整して適正な運営を促しているのですが、それでも問題や疑問は生じます。そのような問題・疑問にどのように対処していくべきかここで考えて行きたいと思います。


8.スタッフの作業能率不足への対応


派遣労働者に作業が遅い、ミスが多い等の作業能率上の重大な問題がある場合いは、契約事項の債務不履行などを理由として派遣元に改善を求めることは可能です。

ただし、そのような事態が生じている原因として派遣先として指示・指導不足等は無いか等確認し、派遣元と業務の改善方法などについて話し合う必要があります。

9.違反した場合の罰則と行政処分


派遣法自体が派遣労働者を保護するためにつくられた性格を持っているので労働者派遣を行う派遣元事業所に対しての規制・罰則が多くなっています。

【一般労働者派遣事業の派遣元事業所に対する行政処分】
イ.許可の欠格事由のいずれかに該当するとき
ロ.労働者派遣法(第3章第4節の規定を除く)もしくは職業安定法の規定、または、これらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき
ハ.許可の条件に違反したとき
  1. 上記のいずれかに該当する場合→厚生労働大臣により許可の取消の可能性(労働者派遣法第14条1項)。
    許可の取消を受けた事業主が引き続き人材派遣事業を行った場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰則を受ける場合もあります(労働者派遣法第59条2号)
  2. 2.ロあるいはハのいずれかに該当した場合→厚生労働大臣による期間を定めての派遣事業の全部または一部の停止(労働者派遣法第14条2項)

【特定労働者派遣事業の派遣元事業所に対する行政処分】
イ.欠格事由のいずれかに該当するとき→厚生労働大臣による事業の廃止(労働者派遣法第21条1項) ロ.労働者派遣法、職業安定法などに違反したときは、期間を定めて人材派遣事業の全部または一部の停止(労働者派遣法第21条2項)

【派遣元への改善命令】
派遣元が労働者派遣法その他労働に関する法律の規定に違反したときは、厚生労働大臣から派遣元事業主に対し、雇用管理の方法の改善、その他事業の運営を改善するために必要な措置を講ずるよう命じられることがあります(労働者派遣法第49条1項)。

【派遣元事業所に対する罰則(労働者派遣に関するもの)】
<1年以上の懲役または100万円以下の罰金>
  • 派遣禁止業務への労働者派遣(労働者派遣法第4条1項(以下法という))
  • 一般派遣事業者の名義貸し(法第15条)
  • 無許可で労働者派遣を行った場合(法第5条)
  • 不正な方法で派遣業の許可を受けたり、許可の有効期間の更新を受けた場合
  • 厚生労働大臣による業務停止処分(法第14条2項)、事業廃止命令(法第21条)に違反した場合
  • 無届で特定労働者派遣業を行った場合(法第16条1項)
<6か月以下の懲役または30万円以下の罰金>
  • 特定労働者派遣事業の名義貸し(法第22条)
  • 法違反の事実を申告したことを理由に解雇などの不利益な扱いをすること(法第49条の3の2項)
  • 厚生労働大臣による改善命令による処分に違反した場合(法第49条)
<30万円以下の罰金>
  • 派遣業の許可申請書や、許可更新の書類、届出書などの添付書類に虚偽の記載をした場合(法第5条、10条、11条、16条)
  • 事業内容の変更や事業廃止などの届出を怠ったり、虚偽の申告をした場合(法第11条、13条、19条、20条、23条)
  • 派遣労働者、派遣先事業所への必要な通知を怠り、派遣元責任者を選任せず、派遣元管理台帳の作成、記帳、3年間の保存をしなかった場合(法第34条から37条まで)
  • 厚生労働大臣の求める報告をしなかった場合(法第50条)
  • 厚生労働大臣の命令により行う調査立ち入りに対する、拒否、妨害、虚偽の答弁などを行った場合(法第51条)
<1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金>
  • 公衆衛生上または公衆道徳上有害な業務につかせる目的で労働者派遣をした場合(法第58条)

10.派遣労働者にも育児休業・介護休業は適用されるか


少子・高齢化が大きな問題になり、子育て・介護と仕事が両立できる社会づくりが急がれるなかで、改正育児・介護休業法が4月1日より施行されました。 急増するパートや派遣労働者の多くは期間を定めて雇用される「有期雇用労働者」です。働いている人のうち、女性の約22%、男性の約8%が1年以内の契約になっています。

これまでは、有期雇用労働者には、原則、育児・介護休暇が認められていませんでした。更新をして、期間の定めがないのと同じようになった場合に限るとされていたのです。

今回、一定の要件のもとですが、派遣労働者のような有期雇用にも適用が広げられました。

今回の改正で適用されるのは、1年以上勤務し、なおかつ子どもが1歳になる日を超えて引き続き雇用が見込まれる人です。
このうち、1歳になって仕事にもどっても、2歳になるまでに雇用契約の期間が終わり、その後更新されないことが育児休業申し出時点で明らかな場合は、育児休業を取得できません。
半年契約、一年契約であっても、一応、適用が広げられました。

法改正とあわせ、雇用保険法の一部改正もおこなわれました。育児・介護休業を取得した場合、休業中に賃金の3割、復職後に1割、計4割の「給付金」が雇用保険から支給されます。
しかし雇用保険法の改正の中で、有期雇用労働者への給付金の支給に厳しい条件が盛り込まれ、育休がとれても給付金が支払われない場合があります。

【支給要件】
イ.同一事業主のもとで1年以上働き、復職後さらに3年以上働きつづける見込みがあるとき
ロ.休業前に3年以上働き、復職後1年以上働きつづける見込みがあるとき
しか、給付金が支払われません。
休んでいる間も含めれば5年以上働くという実績(見込みも含む)がなければなりません。

厚労省の試算では、今回の改正で、有期雇用の育児休業取得者が約1万人、そのうち給付金の支給対象者は2500人程度としています。
4分の3が、給付金が支給されない育児休業となってしまう試算です。  たとえば、1年契約の人が、事業主から「育休後復帰しても1年で終わり、次の更新はない」と言われたら給付金がもらえなくなります。
一般労働者と同様に毎月雇用保険料を払っているにもかかわらず給付金がもらえないというような矛盾があります。


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