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派遣を開始したら

▽労働契約と就業規則の遵守義務


派遣労働者は、派遣元の就業規則に則り派遣先で就業することになりますが、派遣先の就業規則のうち服務規律や秩序に関する規定についても派遣先の社員と同様従う必要があります。これは誠実に勤務する義務が派遣契約によって生じているからです。  派遣労働者の労働条件は派遣先によって異なるので一般企業のように画一的・統一的に就業規則を規定することはできません。そこで、派遣元の就業規則では、大枠の仕組みのみで、具体的な労働条件は個別雇用契約書で定めるなどと規定すればよいことになっています。

派遣社員用の就業規則は、初めて派遣の雇用契約を交わす派遣労働者には必ず読ませる必要があります。  また、就業規則は雇用形態別に作成し、労働基準監督署に届けましょう(社員・準社員・契約社員・派遣社員・パートタイマー・嘱託等)


▽労働基準法の労働時間と時間外労働の遵守義務


【派遣元が義務を負うもの】
  • それぞれの派遣先の所定就業時間に基づき派遣労働者との労働契約に所定労働時間を定めること
    派遣契約の中に時間外労働についての規定が無い限り、派遣スタッフを休日や契約時間外に働かせることはできません。
  • 法定時間外に就業させる場合は、派遣先の定めにかかわらず、派遣元での「時間外・休日労働に関する規定(「三六協定」労働基準法第36条)」を労働者代表と締結し、労働基準監督署へ届け出ること
  • 派遣労働者が派遣先で時間外や休日労働をした場合の割増賃金の支払い義務を負うこと。ただし、割増賃金の計算に必要な就業時間について、派遣先は派遣元への連絡を義務付けられています。

【派遣先が義務を負うもの】
  • 休憩時間を除き1週間について40時間、各日について8時間を超えて労働させてはならないこと(「法定労働時間」労働基準法第32条)
  • 少なくとも労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えること(同法第34条)


▽労働基準法の休日と休暇規定の遵守義務


【派遣元が義務を負うもの】
  • 年次有給休暇の付与(労働基準法第39条)
    派遣先には派遣労働者の休暇申請に対して時期変更などを指示する権限はありません。派遣労働者が年次有給休暇を請求した場合、事業の正常な運営が妨げられるかどうかの判断は派遣元の事業に関して行われます。
    代替の派遣労働者が派遣できるようであれば、その派遣事業の正常な運営を妨げるとまでは言えず、時期指定権の行使の理由にはなりません(昭和61年6月6日基発333号)。 派遣労働者が年次有給休暇を取得する際の対応については、事前に派遣元・派遣先が相談して決めておく必要があるでしょう。
  • 産前産後休暇(同第65条)
    この休暇は一般的に長期に及ぶため、派遣労働者を交換することになります。

【派遣先が義務を負うもの】
  • 毎週少なくとも1回の休日を与えること
  • 選挙権の行使に必要な時間を与えること(「公民権の行使」労働基準法第7条)
  • 1歳未満の子の育児のための時間を与えること(「育児時間」同第67条)
  • 生理日の就業が困難な女性を就業させないこと(「生理休暇」同第68条)
派遣労働者が請求した場合、派遣先は、拒むことはできません。ただし、派遣契約に基づき、休暇を取る派遣労働者に代替する派遣労働者を派遣元に要求することは問題ありません。


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