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派遣を開始したら

▽派遣元・派遣先の労働基準法の遵守義務


労働者派遣法においては、派遣労働者に関する労働基準法の適用について、基本的には派遣労働者と労働契約関係にある派遣元事業主が責任を負うものであるという原則を持ちつつ、 労働者派遣の実態から派遣元事業主に責任を問うことができない事項、派遣労働者の保護の実現を期する上から派遣先事業主に責にを負わせることが適切な事項について、派遣法に特例規定を設けることにより派遣先事業主に責任を負わせることとされています。

特例規定が設けられていない労働基準法等の規定については、原則どおり、派遣元事業主が責任を負うこととなっています。

【派遣先事業主の労働基準法の使用者責任】
  • 均等待遇
  • 強制労働の禁止
  • 公民権行使の保障
  • 労働時間、休憩、休日
  • 労働時間及び休日(年少者)
  • 深夜業(年少者)
  • 危険有害業務の就業制限(年少者及び妊産婦等)
  • 坑内労働の禁止(年少者及び女子)
  • 産前産後の時間外、休日、深夜業
  • 育児時間
  • 生理日就業が著しく困難な女子に対する措置
  • 徒弟の弊害の排除
  • 申告を理由とする不利益取扱禁止
  • 国の援助義務
  • 法令規則の周知義務(就業規則を除く)
  • 記録の保存
  • 報告の義務
【派遣元事業主の労働基準法の使用者責任】
  • 均等待遇
  • 男女同一賃金の原則
  • 強制労働の禁止
  • 労働契約(労働条件の書面明示、その他)
  • 賃金(休日・時間外等の割増賃金を含む)
  • 変形労働時間・フレックスタイム制等の定め、時間外・休日労働協定の締結、届出
  • 年次有給休暇
  • 最低年齢
  • 年少者の証明書
  • 帰郷旅費(年少者)
  • 産前産後休業
  • 徒弟の弊害の排除
  • 職業訓練に関する手続き
  • 災害補償(労災保険)
  • 就業規則
  • 寄宿舎
  • 申告を理由とする不利益取扱禁止
  • 国の援助義務
  • 法令規則の周知義務
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 記録の保存
  • 報告の義務
労働基準法等の特例規定は、適法に労働者派遣を行う事業者及び労働者に対してのみ適用されるのではなく、派遣法に違反した労働者派遣の場合にも同様に適用されます。

業務取扱要領によれば、次のように規定されています。

「これらの規定は労働者派遣という就業形態に着目して、労働基準法等に関する特定を定めるものであり、労働者派遣事業の実施につき許可を受け又は届出書を提出した者である派遣元事業主が行う労働者派遣だけではなく、 それ以外の事業主が行う労働者派遣についても適用され、また業として行われる労働者派遣だけでなく業として行われるのではない労働者派遣についても適用されることになるので注意すること。」

また、業として行われる労働者派遣業だけではなく一時的、臨時的な労働者派遣についても適用されることになります。


▽安全衛生に関する責任


派遣労働者が就業する現場での労働災害の防止や作業環境の確保について、派遣先を労働安全衛生法上の事業者とし、責任を負うように定められています(労働者派遣法45条各項)。

労働安全衛生法上の適用区分は以下の通りです。

【派遣先と派遣元が適用される項目】
  • 統括安全衛生管理者(労働者派遣法第45条1項)
  • 衛生管理者(同)
  • 安全衛生推進者(同)
  • 産業医(同)
  • 衛生委員会(同)
  • 安全管理者などに対する教育(同)
  • 安全衛生教育(作業内容変更時)(同)
  • 中高年齢者などについての配慮(同)
【派遣先に対してのみ適用される項目】
  • 安全管理者(労働者派遣法第45条1項)
  • 作業主任者(同法45条3項)
  • 安全委員会(同)
  • 労働者の危険または健康障害を防止するための措置(同)
  • 危険有害業務従事者に対する教育(同)
  • 安全衛生教育(職長教育)(同)
  • 就業制限(同)
  • 作業環境測定(同)
  • 作業時間の制限(同)
  • 健康診断(一般健康診断を除く有害な業務に係る健康診断など)(同)
派遣労働者の災害補償責任は派遣労働者の雇用される派遣元での適用となりますが、労働災害の原因に派遣先の労働安全衛生法違反があれば派遣先が処罰されることもありえます。適正な安全衛生管理を実施するためには責任の分担を明確にし、派遣元と協力し、情報提供をし合うことが必要です。


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