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派遣事業者になったら

▽特定の者及び海外派遣の留意点


一般労働者派遣事業の許可基準には、「主に特定の者に対して労働者を派遣するために行われるものではないこと(労働者派遣法第7条1項)とされ、このような目的で一般労働者派遣事業を行おうとする場合には許可を与えないこととしています。

そのため、コスト削減などの面から自社で労働者を雇用せず、専属の子会社から労働者派遣を受け入れて事業運営を行うことは、本来の派遣のあり方といえず認められていません。

ただし、雇用機会の確保がとくに困難であると認められる労働者(高齢者など)の雇用の継続等をはかるために必要と認められ、厚生労働省令で定める場合において行われるものはこの規定から除外されています。

なお、特定労働者派遣事業では届出の際の欠格事由にこのような項目はありませんが、厚生労働大臣は特定の者に対して労働者を派遣することを目的として行われている場合には、その目的および内容を変更するように勧告できる(労働者派遣法第48条2項)とされているため、届け出た場合は訂正を求められます。

▽特定の者に対する労働者派遣の可否


前述のように、特定の者への労働者の派遣を目的とする一般労働者派遣事業は、許可基準を満たさないため認められません。しかし、営業活動を行った結果、たまたま特定企業だけに派遣している状態になっていたとしても、顧客開拓の営業努力を継続しているのであれば、特定企業への派遣を目的としているとみなされる事はありません。

雇用期間の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等をはかるために必要であると認められる場合には、欠格基準に該当することにはならないので、特定労働者派遣事業が特定企業への派遣を行っていても、厚生労働大臣から目的や内容について変更を勧告されることはありません。

これが認められる場合とは、派遣元事業主が雇用する派遣労働者のうち10分の3以上の者が、他の会社を60歳以上の定年により退職したあとに雇入れられた者である場合が該当するとされています。

▽海外派遣の留意点


海外派遣とは、海外の事業所やその他の施設で指揮命令を受けて派遣就業させることを目的とする限り、海外の法人または個人はもちろん、日本国内の法人または個人の海外支店などにおいて派遣就業させるときもこれに該当します。

ただし、派遣就業の場所が一時的に国外となる場合であったとしても、出張などの形態により業務が行われ、主に指揮命令を行う者が日本国内にいて、その業務が国内にある事業所の責任により行われている場合は、海外派遣には該当しません。

人材派遣が海外の派遣先に行われる場合、日本国内の法律が適用されない海外でも派遣スタッフの適正な就業を確保するため、派遣法では、派遣元に事前の届出をするよう定められています(労働者派遣法第23条3項)。

ただし、派遣期間がおおむね1か月を超えないものについても、海外派遣に該当しないので、届出をする必要はありません(業務取扱要領)。

【届出の方法】
あらかじめ海外派遣届出書を事業所を管轄する都道府県労働局に提出することにより行います(派遣規則第18条)。 この場合、「派遣先が講ずべき措置」(派遣則第23条)を定め、その書面の写しを添付します(派遣則第18条)

【派遣先が講ずべき措置として定めるべき事項】
イ. 派遣先責任者を選任すること
ロ. 派遣先管理台帳の作成、記載および通知を行うこと
ハ. 派遣労働者に関する派遣契約の定めに反することのないように適切な措置を講ずること
ニ. 派遣スタッフの派遣先における就業に伴って生ずる苦情等について、派遣元事業主に通知し、その適切かつ迅速な処理を図ること
ホ. 疾病、負傷などの場合における療養の実施その他派遣労働者の福祉の増進に係る必要な援助を行うこと
ヘ. その他派遣就業が適正に行われるため必要な措置を行うこと
ト. 派遣期間の制限に抵触することとなる最初の日の通知を行うこと(中高年齢臨時特例措置を含む)
チ. 派遣スタッフの雇用に関する措置

【海外派遣の場合の派遣契約】
派遣元は、海外派遣契約の適切に際して、国内の派遣契約に定めるべき事項のほか、「派遣先が講ずべき措置」を書面(または電子メール、ファクシミリ)に記載して必ず派遣先に交付しなければなりません(派遣法第26条3項、派遣規則第23条、則第24条)。

派遣先がこの派遣契約の定めに反した場合、その契約について債務不履行となり、派遣元はその履行を派遣先に求めることができ、また、それを理由に契約を解除することができます。


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